創業計画書とは?日本政策金融公庫の創業計画書のポイントを解説

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創業計画書とは?日本政策金融公庫の創業計画書のポイントを解説

創業計画書とは?日本政策金融公庫の創業計画書のポイントを解説
新たに創業・開業する場合、初期段階に多額の資金を要しますので、多くの方は『創業融資』を活用しています。

創業融資は、これから創業する方を対象とした融資制度となりますが、創業融資を申し込む際は『創業計画書』が必要となります。

本記事では、人気の高い創業融資を提供しており、フォーマットが用意されている日本政策金融公庫の創業計画書の書き方やポイントを解説していきます。


創業計画書とは


創業計画書とは、新たに創業・開業する事業の説明書にあたるもので、事業の概要や取引予定、収益の見通し、資金計画などを具体的にまとめたものです。

主に金融機関や投資家から資金調達する場合に使用するもので、特に、創業融資を申し込む際は必ず求められるものとなります。


創業計画書の書き方・ポイント


日本政策金融公庫の創業計画書は、以下10の大項目から構成されています。

1.創業の動機
2.経営者の略歴等
3.取扱商品・サービス
4.従業員
5.取引先・取引関係等
6.関連企業
7.借入の状況
8.必要な資金と調達方法
9.事業の見通し
10.自由記入欄

これらは融資担当者が必要とする情報であるとともに、融資の審査に大きく影響を及ぼしますので、項目ごとに書き方やポイントを解説していきます。

1.創業の動機

まずは、創業の動機です。

創業する方はそれぞれ動機やきっかけがあると思いますので、比較的イメージしやすい項目ですが、創業計画書の用途はあくまで第三者からの「資金調達」であることを念頭に置いて記載するようにしましょう。

ポイントとしては、例えば「得意だから」「好きだから」などの抽象的な表現で終わらせず、創業前に従事していた業務内容や勤務年数、保有資格などの得意や好きを裏付ける具体的な根拠を並べるなど内容を深ぼって記載することです。

創業を決めたきっかけや、場合によって創業に向けて準備している内容などもあれば同じように深ぼって具体的に記載するようにしましょう。

創業計画書全体に言えることですが、深ぼって具体的に記載することで創業計画書の説得力が増します。

また、内容を見て判断するのは人であり、創業への熱い想いや真剣さなどの意志が伝わることも大切なことですので、他人の言葉ではなく自分なりの言葉で作成することも重要なポイントのひとつです。

2.経営者の略歴等

次は創業者の略歴等です。

学歴や勤務歴などの経歴を記載する項目ですが、ポイントは勤務先名だけの記載ではなく、そこで担当した業務や必要なスキル、勤務年数、役職など付随する情報もあわせて記載するようにしましょう。

特に創業する事業に関連する内容や、事業運営の根拠につながるような内容は記載することで見通しの説得力も増しますので、経歴以外にも保有資格や受賞歴、知的財産権などがあればそれらも積極的に記載しましょう。

3.取扱商品・サービス

続いては、創業する事業で取り扱う商品やサービスに関する項目です。

この項目は、事業内容から始まり、取扱商品などとともにセールスポイントやターゲット、販売戦略など、創業する事業の見通しや実現性にも紐づく内容となり、非常に重要な項目のひとつです。

繰り返しになりますが、創業計画書の用途は第三者からの「資金調達」であること、融資元は返済が滞るリスクを見極めるための情報として使用することを念頭に置き、実現性の低い計画や非現実的な内容の記載は避けて、根拠と説得力のある内容でまとめるようにしましょう。

日本政策金融公庫の創業計画書では、取扱商品・サービスとして以下の項目にわかれていますので、項目ごとにポイントを解説していきます。

■事業内容
誰に、なにを、どのように提供していく事業なのか具体的な情報とともに、創業する事業の説明を記載します。

■取扱商品・サービスの内容/売上シェア
売上シェアの予測が高い商品・サービスをいくつか具体的に記載します。
記載する商品・サービスはそれぞれの価格帯(単価)などもあわせて記載するのがよいでしょう。

■客単価/定休日や営業日数
想定している1顧客あたりの平均単価や営業日数などを記載します。
ここの内容は、後に出てくる事業の見通しの売上予測などにも関連してきます。

■セールスポイント
創業する事業のセールスポイント=強みや独自性、競合他社と差別化している点などから具体的に記載するようにしましょう。

■販売ターゲット/販売戦略
年齢層や性別などどのような対象をメインの販売ターゲットとしているか、どのような販売戦略を取るかなどを記載します。
商品やサービスに対する適切なターゲット設定と、そのターゲットに対して効果を見込める戦略を具体的に記載することが大切です。

例えば、若い女性がターゲットであれば、InstagramなどSNSでの広告展開や、写真映えを意識したメニューを揃えSNS発信による集客、公式SNSフォローで割引サービスなど、ターゲットに対して適した具体的な戦略を記載することで、創業計画書の実現性に説得力を持たせることができます。

■競合・市場など取り巻く状況
創業予定地近隣の競合状況や、競合他社と差別化している内容などを記載します。
また、創業予定地の人口推移や今後の見通し、昼間人口・夜間人口の状況など商圏に対する調査結果なども併せて記載するのもよいでしょう。

4.従業員

創業段階の従業員数、法人の場合は役員数を記載します。

従業員数はパート・アルバイト含め、継続して3か月以上雇用する従業員が対象となります。

5.取引先・取引関係等

想定している具体的な取引先や取引条件を記載する項目となり、創業前の事前準備や計画の状況を見られますので、できるだけ準備したうえで情報を記載するようにしましょう。

具体的には、販売先・仕入先・外注先などの取引先の情報や取引シェア、掛取引割合、支払いサイトの条件と、発生する人件費の支払いサイトを記載します。

ここでポイントとなるのは、取引先との関係性(知人の会社や前職で担当していた取引先など)も併せて記載したほうがよいという点です。

また、販売先が一般消費者の場合でも、ターゲットや集客根拠など可能な限り具体的な想定を記載しましょう。

6.関連企業

創業者が別で経営している企業や、配偶者が経営している企業がある場合は記載します。

7.借入の状況

創業者の住宅ローンや車のローン、教育ローン、カードローンなどの借入残高と年間返済額を記載します。

ローンなどの借入状況は個人信用情報機関で照会することが可能であり、融資に際しては個人信用情報機関の利用に同意を求められます。

日本政策金融公庫は株式会社シー・アイ・シー(CIC)に加盟しており、関連して全国銀行個人信用情報センター(全銀協)と株式会社日本信用情報機構(JICC)の情報も照会することが可能となっています。

上記から、借入の状況は正確に記載するようにしましょう。

8.必要な資金と調達方法

こちらは創業計画書の中でも非常に重要な項目となっており、必要資金として設備資金・運転資金に該当する内容と見積先、金額、およびその必要資金の調達方法を記載します。

設備資金は、物件の初期費用や内装工事費、パソコン・事務機器などそれぞれの具体的な内容と見積書を取得して見積先名と具体的な金額を記載するようにしましょう。

運転資金は、売上の収入により運転資金が賄えるようになるまでの期間を予測してそれまでに必要となる仕入代金や人件費、家賃、光熱費、諸経費などの金額をそれぞれ記載します。

必要資金の調達方法は、「自己資金」「親族からの借入」「日本政策金融公庫からの借入(今回の希望融資額)」「他の金融機関からの借入」の分類でそれぞれ記載し、「親族からの借入」と「他の金融機関からの借入」は内訳と返済方法なども記載します。

金額の整合性として、必要資金の合計(設備資金+運転資金)=調達方法の合計になる必要がありますので注意しましょう。

また、日本政策金融公庫から融資を受けられる金額は「概ね自己資金の3倍前後」が現実的なラインとなっており、自己資金の積み立て根拠として直近6か月分の通帳提出が求められます。

自己資金と比較してあまりに多すぎる金額を希望しても融資がおりない可能性が高いため、必要資金と自己資金は細かく整理するようにしましょう。

9.事業の見通し

事業の見通しは、月平均の「売上高」「売上原価」「必要経費」「利益」について、「創業当初」と「1年後または軌道に乗った後」それぞれの見通しを記載する項目です。

ポイントとして、各数字は可能な限り客観的な根拠を積算して算出することと、その計算式(単価や販売数、席数、回転数、営業時間、営業日数などを用いたもの)や根拠(市場の季節要因や同業他社の実績など)も記載しておくことが大切です。

日本政策金融公庫で別途フォーマットが用意されている「月別収支計画書」を作成してその数字から月平均を算出するのがよいでしょう。

10.自由記入欄

それぞれの項目に記載し切れなかったアピールポイントなどがあれば自由に記入してよい欄です。

日本政策金融公庫の創業計画書フォーマットは、各項目の記入欄が狭めですので、項目内容に対する補足資料を別途作成して合わせて提出するのも有効な手段のひとつです。

記入例

日本政策金融公庫では、WEBサイト上に創業計画書の業種別記入例を公開しています。

以下の記入例が公開されていますので、同業種または近い業種の場合は参考に目を通しておくことをおすすめします。

■洋風居酒屋
■美容業
■中古自動車販売業
■婦人服・子供服小売業
■ソフトウェア開発業
■内装工事業
■学習塾
■歯科診療所
■介護サービス


まとめ


本記事では、日本政策金融公庫の創業計画書の書き方や項目ごとのポイントを解説しました。

創業計画書は本記事で解説の通り、過去から現在、未来の見通しまで、幅広い項目の具体的な内容を記載する計画書となります。

再三になりますが、創業計画書の用途は第三者からの「資金調達」であること、融資元は返済が滞るリスクを見極める情報として使用することを念頭に置き、記載する内容は具体的に、客観的な根拠に基づいて、実現性や全体の整合性に注意を払って作成することが大切です。

創業融資てづくり専門支援センターでは、これまで500件以上の創業融資サポート・創業計画書・事業計画書の作成実績があり、その経験とノウハウを背景に、成功報酬%なしの固定料金にて対応させていただいておりますので、創業融資に興味があったり、資金調達や開業資金に悩まれている方は、お気軽にお問い合わせください。

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