【創業融資】協調融資の詳細やメリット・デメリットを解説

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【創業融資】協調融資の詳細やメリット・デメリットを解説

<最終更新日> 

【創業融資】協調融資の詳細やメリット・デメリットを解説

創業融資の利用を検討されている方の中には「協調融資」という言葉を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。

この記事では、協調融資とはどういったものなのか、また、創業融資で協調融資を利用するメリット・デメリットなどについて解説していきます。

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協調融資とは


協調融資とは、複数の金融機関が連携して一社または一事業者に対して融資を行う仕組みのことをいいます。

元々は中堅・大企業の大規模資金調達のために用いられることが多い仕組みでしたが、近年では日本政策金融公庫と民間の金融機関が連携し、中小事業者向けに協調融資が実行されるケースも増加しています。

協調融資には、企業側にとって「希望融資額を効率的よく借入れすることができ、手続きの負担も低減できる」という利点があり、金融機関側にとっても「貸し倒れリスクを軽減できる」というメリットがあります。


協調融資のパターン


協調融資には以下の4パターンがあります。

日本政策金融公庫と民間金融機関での協調融資

まず一つ目のパターンが日本政策金融公庫と民間の金融機関が連携して行う協調融資で、創業支援や事業再生、農林漁業など様々な分野で活用されています。

日本政策金融公庫は協調融資にも意欲的に対応しており、中小事業者の利用が多い協調融資はこのパターンになります。

信用保証協会と民間金融機関での協調融資

二つ目が、信用保証協会と民間金融機関で協調融資を行うパターンです。

信用保証協会の保証が付いた融資と、民間金融機関独自のプロパー融資を組み合わせた方法で、特に大口の資金調達時に提案されることが多くあります。

保証協会の支援により、金融機関は貸し倒れリスクを抑えながら融資できるため、高額な貸し付けも可能になります。

商工組合中央金庫(商工中金)と民間金融機関での協調融資

政府系金融機関である商工組合中央金庫(商工中金)も民間の金融機関と連携し、協調融資を行っています。

この協調融資では、経営改善や事業再生、事業承継、海外進出の支援など、幅広い資金ニーズに対応しています。

事業の成長や拡大に伴って資金が必要になった場合には、商工中金と民間金融機関の協調融資も有効な選択肢となります。

民間金融機関同士の協調融資

日本政策金融公庫や信用保証協会などの機関は関与せず、民間の金融機関同士が連携して協調融資を行うパターンもあります。

主要取引金融機関のメインバンクとそれ以外の金融機関が共同で融資を行う形式が多く、大手の銀行などが数十億円規模の大型融資として用いることが一般的です。

このため、中小事業者がこのパターンを利用するケースはほとんどありません。


協調融資は創業融資でも使える?


日本政策金融公庫は様々な金融機関と提携しているため、創業融資でも協調融資を活用することができます。

むしろ協調融資を使うことで、日本政策金融公庫単体に創業融資を申し込む場合よりも多くの資金を確保できる可能性が高まります。


創業融資で協調融資を活用するメリット


日本政策金融公庫の創業融資に単独で申し込むことももちろん可能ですが、協調融資を活用することで得られるメリットもあります。

希望融資額が高額な場合でも融資を受けやすくなる

創業融資で協調融資を活用するメリットの一つ目が、希望融資額が高額であっても融資を受けやすくなるという点です。

単独の金融機関では難しいような高額な融資額でも、複数の金融機関が共同で対応する協調融資であれば希望融資額での借入が実現しやすくなります。

これは金融機関側にとっても貸し倒れリスクを分散できるという利点があるためです。 

民間の金融機関などは創業融資審査が厳しくなる傾向にありますが、日本政策金融公庫と連携した協調融資であれば融資に前向きになりやすく、結果資金を確保しやすくなります。

そのため、例えば飲食店や製造業など希望融資額が高額になるケースもある業界の場合は、協調融資を活用する利点が大きいと言えます。

個別に申し込む場合よりも手続きの負担を軽減できる

通常、複数の金融機関に個別で創業融資を申し込む場合は各金融機関とそれぞれ別のやり取りを行い、書類も別々に準備する必要があります。

しかし協調融資であれば、代表となる一つの金融機関とのやり取りのみで済み、必要書類もそれぞれ同じもので対応できることが多いため、個別に申し込む場合と比較して手続きの負担を抑えられるというメリットがあるのです。


創業融資で協調融資を利用するデメリット


高額な融資額を、手間を軽減しながら受けられるというメリットのある協調融資ですが、いくつかのデメリットもあります。

審査に時間を要する

協調融資は、複数の金融機関が関わる分審査に時間を要するため、融資を受けるまで時間が長くなるというデメリットがあります。

例えば、単独融資であれば1~1.5か月ほどで融資が実行されることが多いのに対し、協調融資では2~3か月ほどかかる傾向にあります。

これは、関係する金融機関ごとに審査基準や手続きが異なることや、民間の金融機関の場合は信用保証協会との面談など追加のプロセスが発生するケースが多いことが要因です。

協調融資を利用して創業融資に申し込む場合は、創業する時期から逆算し、余裕を持って申し込むことが大切です。

融資そのものが成立しない可能性がある

協調融資は関与する全ての金融機関の承認が必要なため、審査に通らない金融機関があると創業融資そのものが成立しない可能性があります。

そのため「創業するための資金を創業融資で調達する」という計画が進まなくなるリスクもありますので、創業融資で協調融資を利用する際はこの点を念頭に置き、なるべく審査に通る可能性を高められるよう十分な準備を整えてから臨むようにしましょう。


創業融資で協調融資を利用する際の手順


創業融資で協調融資を利用する際の一般的な流れ以下のとおりです。

1.日本政策金融公庫または取引のある民間金融機関に相談する
2.取りまとめるメインの金融機関が、他の協調融資に参加する金融機関と案件の共有を行う
3.各金融機関が審査および融資条件を設定し、情報を共有したうえで創業融資を実行する
4.取りまとめ役であるメインの金融機関に手数料を払う

協調融資は、いくつかの金融機関が共同で融資を行うため、単独の融資とは手続きが異なるという点を念頭に置いておきましょう。

メインの金融機関が中心となって、融資額の配分や担保の割り振りなどを主導することが多いです。


創業融資で協調融資を利用する時の注意点


創業融資で協調融資を利用する場合に注意しておきたい点があります。

精度の高い創業計画書・事業計画書を作り上げる

創業融資での協調融資を実現させるには、精度の高い創業計画書・事業計画書の作成が欠かせません。

創業計画書や事業計画書は、事業の将来性や成長戦略、実現可能性を金融機関に示すための重要な資料です。

そのため、必要な設備投資や資金の使い道を明確にするだけでなく、市場分析・競合調査・ターゲット設定を踏まえた根拠のある収支計画が求められます。

この際数値の裏付けを示せるような資料を添付すると、計画の信頼性が高まります。

信用情報や支払い履歴を問題が無い状態にするよう心がける

協調融資においては、信用情報や支払い履歴に問題が無いことも大切です。

審査時には、クレジットカードやローンの利用状況に加え、家賃・公共料金・税金の支払い履歴なども確認されます。

この時に度重なる支払いの遅れや債務整理などの履歴があると、審査に通るのが難しくなります。

そのため、日頃から支払いを滞らせないよう心がけることが、創業融資で協調融資を利用するための重要なポイントになってきます。


まとめ


今回は、協調融資の概要やメリット、デメリット等について解説しました。

創業融資においても協調融資を利用することは可能ですので、自社の状況や協調融資のメリット・デメリットを踏まえて活用を検討していただければと思います。

当サイトを運営する創業融資てづくり専門支援センターでは、これまでに4,500件を超える創業融資サポート、ならびに創業計画書・事業計画書の作成支援実績を有しています。

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