【歯科医院開業】日本政策金融公庫の創業融資を解説

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【歯科医院開業】日本政策金融公庫の創業融資を解説

<最終更新日> 

【歯科医院開業】日本政策金融公庫の創業融資を解説歯科医院の創業・開業を考えている方にとって、開業資金をどう工面するかは重要な課題の一つです。

物件取得費用や設備費用、備品代、及び開業後数か月間の運転資金など、創業・開業をするにあたっては一定の資金を用意する必要がありますが、その全てを自己資金でカバーするのは難しいという方も多いのではないでしょうか。

そこで活用いただきたいのが、日本政策金融公庫の創業融資制度です。

創業融資は、新しく事業を始めたい方が主なターゲットとされており、低金利かつ長期間で無理なく返済できるという点が魅力の融資制度です。

この記事では、歯科医院の創業・開業を検討している方に向けて、日本政策金融公庫の創業融資の詳細を解説していきます。

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日本政策金融公庫の創業融資とは?


日本政策金融公庫は、政府系金融機関として多岐にわたる資金需要に対して融資を実施しています。

創業・開業段階の方もしくは開業から日が浅い方に対しては、無担保・無保証で利用することができる創業融資制度を提供しているため、開業時の資金を確保する有効な手段として、多数の事業者から活用されています。

日本政策金融公庫の主な創業融資制度

日本政策金融公庫の創業融資の中でも、歯科医院を開業する際に利用されるのは「新規開業・スタートアップ支援資金(新規開業資金)」という制度になります。

この創業融資制度は無担保・無保証人で融資を受けられるという特徴を有し、これから事業を開始する方または事業開始後おおむね7年以内であれば利用することが可能です。

※飲食業・理容業・美容業などの生活衛生関係営業者に向けた「生活衛生新企業育成資金」という創業融資制度もありますが、歯科医院は生活衛生関係の事業に含まれないため利用できません。


歯科医院の創業計画書作成ポイント


創業融資を申し込むためには、「創業計画書」の提出が欠かせません。

創業計画書は、盛り込みたい情報をあらかじめしっかりと整理した上で、合理的かつ実行可能な内容に仕上げることが大切ですので、下記で解説するポイントを踏まえた創業計画書を作成するよう意識しましょう。

創業の動機

創業の動機には、なぜ歯科医院を開業したいと考えたのか、その理由や背景を記載していきますが、この際自分が今まで積み重ねてきた経験や強み、得意とする分野などもアピールすると説得力が高まります。

また、開業に向けてどのような準備を重ねてきたのかという点や、協力者について、さらに経営方針や歯科医院を構える場所を選んだ理由などについても記載していくようにしましょう。

自分がどのような歯科医院を開業し、そして経営していきたいのか、日本政策金融公庫へ事情が成功する印象を与えられるよう、業界での実績が申し分ないこと、既存顧客の来院が想定されること、開業予定の地域や物件の特徴なども構成に組み込むことが大切です。

さらに、人材育成経験などがある場合は、その点も記載するようにしましょう。

経営者の略歴等

略歴の欄には、高校や大学を卒業した年月日や勤務先、そこでの勤務年数といった基本的な経歴のみではなく、在職中に経験した具体的な職務内容などを記入していきます。

また、歯科医院は、歯科医師もしくは医師の免許を持つ人が管理者として院長になることで開業できるため、開業したい申込者自身が歯科医師免許を取得していることは求められません。

しかし、医療経営士や医業経営コンサルタントなど、申請者が取得していることで審査においてプラスに働く可能性がある資格もありますので、そういった資格を保持している場合は「取得資格」の欄にその旨を記載するようにしましょう。

取扱商品・サービス

「取扱商品・サービス」の欄には、開業する歯科医院の施術内容、料金、強みや経営戦略などを詳細に記載しましょう。

加えて、ビジネスモデルを明確に示すために収益の仕組みや対象となる顧客層、競合との差別化戦略などを記入することも大切です。

取引先・取引関係等

「取引先・取引関係等」には、例えば治療で使用する歯科材料の仕入れ先などを記入します。

この時に、仕入れ先が知り合いの事業者であったり、以前の勤務先で関わりの出来た取引先などの場合は、その関係性も併せて記しておくことでより信頼度を強めることが出来ます。

申し込み時点で仕入れ先が確定していない状態だと、歯科医院として事業を始める環境を整えられていないと見なされる可能性もありますので、創業融資に申し込む時までには仕入れ先を選定しておくようにしましょう。

必要な資金と調達方法

創業計画書の「必要な資金と調達方法」の欄は、重要度の高い項目です。

創業・開業に必要となる設備資金と運転資金の金額や、それらの資金をどう言った方法で調達するのかを具体的に記載する必要があります。

特に設備資金に関しては忘れずに見積書を取得し、見積先名と詳細な金額を書いていくようにしましょう。

歯科医院を開業するときの設備資金の具体例としては、物件取得費や内装費、歯科医療機器、備品代などが挙げられます。

また、運転資金についても大まかな試算で記載することは避け相場水準などを踏まえきちんと根拠のある金額を予測し、記入するようにしましょう。

歯科医院の運転資金としては、広告費や人件費、家賃、光熱費などが該当します。

さらに、融資審査では自己資金の割合も非常に重要なポイントのため、自己資金は可能な限り多めに準備しておくことが望ましいです。

事業の見通し

事業の見通しは、毎月の平均の「売上高」「売上原価」「必要経費」「利益」を、「開業当初」と「開業から1年後、または事業が軌道に乗った後」の二通りに分けて立て、記載していきます。

ここでのポイントは、各数字について算出時の客観的な根拠を明示することと、その算出方法も併せて記すことです。

特にこれと言った根拠もなく現実性に乏しい売上高を設定したり、相場からあまりにもずれている経費を記載したりすると、事業計画全体の信憑性が損なわれ、審査に悪影響を及ぼす恐れもありますので、気を付けるようにしましょう。

必要な許認可等

歯科医院の開業に際し必須とされている資格はありませんが、当然ながら実際の治療や医療行為にあたる従業員は、以下のような資格が必要になります。

このため、申込者自身が治療や医療行為を行う場合はもちろん、求人募集などをする際も資格の有無や対応できる業務内容などには十分に注意を払うようにしましょう。

また、開業にあたり必要な届出または許可についても、併せて解説します。

■歯科医師
歯科医師は歯の治療について全ての業務を行うことを認められている国家資格です。

歯科医院には必ず1人以上の歯科医師を管理者として置く必要があり、実際の診断やそれに関する説明、レントゲンスイッチの押下、絶対的歯科医療行為(歯の切削や歯茎の切開、型を取るなど)は歯科医師しか対応することはできません。

■歯科衛生士
歯科衛生士も国家資格で、診療のサポートや歯石の除去などの業務を担当でき、医療行為として患者の口腔内に触れることが認められています。

ただし、歯科医師にしか許されていない行為などは対応することができません。

■診療所開設届
歯科医院は、開設日から10日以内にその事業所を管轄する保健所に診療所開設届を提出しなければいけません。

また、歯科医院を個人で開設する際は事前の許可は不要で、開設後に「届出」を行えば問題ありませんが、医療法人などの法人が歯科医院を開設する場合は、あらかじめ「診療所開設許可申請書」を提出し、許可を取得する必要があります。


創業融資に申し込む条件


日本政策金融公庫の創業融資は、以下の条件に該当していることが申請時の条件となります。

■開業前または開業後おおむね7年以内であること
■創業計画書(事業計画書)を作成し、また面談時にその内容をきちんと説明できること
■公共料金やクレジットカード、ローンの支払い実績に問題がないこと

また、自己資金の準備状況や創業計画書に記載されている内容やその具体性なども、創業融資の審査において重要な評価項目になります。

融資額と返済期間の条件

日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」は設備資金が最大2,400万円、運転資金は最大4,800万円までと定められています。

また、返済期間の条件は次のように設定されています。

■設備資金:最長20年(据置期間最長5年以内)
■運転資金:最長10年(据置期間最長5年以内)

ただし、どのような創業計画書の内容や申請者の状況などによって融資額や返済期間、利率などは変動しますので、詳細は日本政策金融公庫や創業融資の専門家へ前もって確認しておくと安心です。


創業融資を受けるための準備


日本政策金融公庫の創業融資審査に通過するためには、念入りな事前準備がポイントになります。

創業計画書(事業計画書)の作成

創業計画書を作成する際は、まず開業の動機を明確にし、今後の経営方針や事業の進め方などを具体的に記載します。

続けて、市場調査などの結果を参考に競合他社に対する自社の強みや、ターゲットとする顧客層を記載することで、開業する事業のセールスポイントをしっかりとアピールします。

さらに、収支計画も売上や利益の予測を現実的に立てたものを記載し、継続的に事業を展開していくための計画性や遂行力があることを示します。

このように創業計画書を通して開業する歯科医院が現実的かつ持続的に事業を行える根拠がある旨を適切に説明することが重要です。

※創業計画書の詳細は以下の記事もご確認ください。
<創業計画書とは?日本政策金融公庫の創業計画書のポイントを解説>

自己資金の準備

創業資金のうち自己資金がどれくらいの割合を占めているか、その自己資金をどのように貯蓄してきたかといった点も創業融資の審査では大事なポイントになります。

自己資金を着実に貯めてきたという実績は、計画性を持って資金管理を行えることの裏付けとなり、創業融資の審査で好印象を与えられる可能性が高まります。

※自己資金の詳細は以下の記事もご覧ください。
<自己資金なしで創業融資を受けることはできるのか解説!>

信用情報の管理

クレジットカードや各種ローンの支払いを繰り返し滞納している場合は、創業融資審査においてかなりマイナスの影響があります。

そのため、普段から支払い期日を守るよう心がけ、信用情報を良好に保っておくことが大切です。

※信用情報の影響や詳細はこちらの記事もご覧ください。
<信用情報とは?創業融資における影響を解説>


申請手続きの流れ


創業融資の申請手続きは以下の流れで進みます。

1.必要書類(創業計画書や自己資金の証明資料など)の準備
2.申し込み
3.日本政策金融公庫担当者と面談、審査
4.融資決定後、契約手続き
5.融資の実行

創業融資に申し込みから融資金を受け取れるまでは、1か月前後を要することが多いです。

このため、開業に関する準備は開業予定日から遡って計画的なスケジュールを立てた上で進めていくようにしましょう。

※日本政策金融公庫の創業融資の流れを把握したい方は、こちらの記事もご覧ください。
<日本政策金融公庫の創業融資の流れを解説>


まとめ


今回は歯科医院を開業したい方に向けて日本政策金融公庫の創業融資制度の解説をしました。

創業融資は、歯科医院開業を後押ししてくれる制度です。

しかし、創業融資の審査を通過するためには創業計画書の作成、自己資金の確保など事前準備を抜かりなく行う必要があります。

開業時の資金調達に不安を感じる方は、日本政策金融公庫の無料相談窓口に相談したり、創業融資の支援を提供している専門家に相談することが、成功への近道になります。

創業融資てづくり専門支援センターは、歯科医院を含め様々な業界の創業融資サポート・創業計画書・事業計画書の作成支援を提供してきた実績を有し、その件数は4,500件以上を達成しています。

これまで培ってきた確かな経験とノウハウをもとに、着手金なしの完全成功報酬(一律固定)でサポートさせていただきますので、資金調達や開業資金の工面でお困りの方は、お気軽にご相談ください。

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