日本政策金融公庫の創業融資とは?

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日本政策金融公庫の創業融資とは?

<最終更新日> 

日本政策金融公庫の創業融資とは?これから創業する方にとって資金調達の最大の味方となるのが、政府系金融機関である「日本政策金融公庫(以下、公庫)」です。

特に2024年から2025年にかけてはこれまでの創業融資制度が刷新され、より利用しやすい制度となっています。

ここでは創業融資の利用を検討中の皆様に向けて、2025年12月現在で最新の日本政策金融公庫の創業融資「新規開業・スタートアップ支援資金」制度の内容や審査に通るためのポイントなどを解説していきます。

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2024年以降の創業融資制度の変更


公庫の創業融資制度として長年利用されてきた「新創業融資制度」が2024年3月末で廃止され、2024年4月以降の創業融資制度は「新規開業資金」に一本化されました。

更に2025年3年には「新規開業・スタートアップ支援資金」に名称変更されています。

2024年の変更により、創業者への支援がより手厚くなって利便性が向上していますので、公庫の創業融資を利用するにあたって知っておきたいポイントを3点紹介します。

①原則無担保・無保証
これまで「無担保・無保証」で融資を受けるには、特定の制度(新創業融資制度)を併用する必要がありましたが、現在は「新規開業・スタートアップ支援資金」の申し込みで、原則無担保・無保証が適用されるようになりました。

これにより、創業者個人の連帯保証も不要となるため、創業者の資産を守りながらリスクを抑えた資金調達が可能になりました。

②自己資金要件の実質撤廃
旧制度(新創業融資制度)では、「創業資金総額の10分の1以上の自己資金を確認できること」という申し込み要件がありましたが、この形式的な要件は撤廃され、これまでは門前払いになっていた自己資金が少ない方でも、創業融資への申し込み自体は可能となりました。

ただし、審査において自己資金は引き続き重要視されているため、十分な自己資金を準備することが推奨されます。

③返済期間の大幅延長、利率の引き下げ
創業期の最大の課題である「資金繰り」を支援するため、返済期間と据置期間(元本の返済に猶予が与えられ、利息のみを支払う期間)が大幅に延長されました。

・運転資金:7年以内→原則10年以内へ延長
・設備資金:10年以内→20年以内へ延長
・据置期間:元本の返済猶予期間も、今までの2年→最長5年まで設定可能

また、これから事業を始める方もしくは事業開始後2期を終えていない方は、金利についても基準利率から原則0.65%(雇用拡大などの条件次第で0.9%)の引き下げが適用され、民間の金融機関と比べて低金利での借り入れが可能になりました。


なぜ公庫が選ばれるのか?メリット・デメリット比較


民間の金融機関と比較した場合、公庫には創業者のための明確なメリットとデメリットが存在します。

メリット:無担保・無保証と創業支援の手厚さ
公庫の最大のメリットは、やはり先述した通り「無担保・無保証」で融資が受けられる点です。

民間金融機関では、創業期でまだ実績が乏しい場合は信用保証協会の保証が必要となったり、代表者が連帯保証人になることを求められるケースがありますが、公庫ではそのハードルが低く設定されています。

また、女性・若者(35歳未満)・シニア(55歳以上)には特別利率が適用されるなど、属性に応じた優遇措置も充実しています。

デメリット:支店数が少ない
デメリットとしては、公庫は支店が少ないため、支店へのアクセスのしにくさが挙げられます。

例えば、東京都内においてはある金融機関は190支店あるのに対し、公庫は14支店しかありません。

しかし、現在はインターネット申し込みにも対応しているため、来店せずに手続きを進めることも可能であり、24時間365日いつでもWEBから申し込みできるようになったことでこのデメリットは解消されつつあります。


申し込みから着金までの流れと必要期間


創業融資の申し込みから資金が着金するまでは、3週間〜1か月半程度かかります。

事前相談の有無や書類の準備状況などによって期間が前後しますので、開業日や資金支払いタイミングを考慮して、余裕を持ったスケジュールで進める必要があります。

1. 相談・申し込み
まずは最寄りの支店窓口へ相談に行くか、インターネットで申し込みを行います。

申し込み前に事前相談(予約相談)を利用することも可能です。

2.必要書類の提出
創業計画書、運転免許証またはパスポートなどの本人確認書類、法人の履歴事項全部証明書、設備資金の見積書などを提出します。

※申込者の状況次第で提出書類が異なります。

3. 面談
公庫の担当者と面談を行います。

面談では、申込書類の内容をもとに詳しく事業計画の説明を求められ、自己資金の状況や返済の可能性、事業の見通しなどが確認されます。

4. 審査
提出書類、面談内容、店舗の実地調査などをもとに審査が行われます。

5. 融資実行
審査通過後は公庫から郵送される借用証書を記入し、印鑑証明書などと共に返送することで、指定口座へ資金が振り込まれます。


融資を成功させる「創業計画書」作成のポイント


審査の合否を左右する最重要書類が「創業計画書」です。

創業計画書は、単なる「夢」ではなく「勝算のある計画」であることを示す必要があります。

• 創業の動機
「なぜその事業をやるのか」を自身の職務経歴や経験と結び付けて、熱意だけでなく成功の根拠や市場ニーズがあることも伝えます。

自身の経験に基づくストーリーは事業への本気度と継続性を裏付ける根拠となります。

• 経営者の略歴
創業間もない事業者には過去の業績が無いため「創業者個人の経験とスキル」が事業の成功可能性を測る指標となります。

その為、過去の経歴が今回の事業にどう活きるかをアピールすることが大切です。

同業種での経験年数は信頼性の担保になります。

• 必要な資金と調達方法
設備資金は見積書を取り、自己資金と借入希望額のバランスを考えた根拠のある数字を記載します。

資金計画は、事業のスタートアップに必要な総額と、それをどう賄うかを示す重要な項目となります。

• 収支計画
収支計画はいわゆる今後の事業の見通しであり、借りた資金を毎月返済していけるかを判断する最重要項目です。

「頑張ればこれくらい売れる」ではなく、「客単価×客数×営業日数」などの計算式を根拠として明記し、返済可能な利益が出る現実的な計画にする必要があります。


審査落ちを防ぐために今からできる4つの対策


要件が緩和されたとはいえ、誰でも借りられるわけではありませんので、以下の4点を意識して準備しましょう。

1. 自己資金を通帳で見せる
要件としては撤廃されましたが、審査において自己資金は依然として重要な要素です。

タンス預金ではなく、通帳に入金履歴が残っている「コツコツ貯めたお金」が評価されます。

逆に見せ金(一時的な借入)と判断されるようなお金はマイナス評価にしかならないため、注意するようにしましょう。

2. 個人の信用情報に傷をつけない
公庫は審査において信用情報機関の情報を照会しますので、そこでクレジットカードやローンの延滞、滞納などがあると審査に致命的です。

これが要因で審査に落ちる場合もありますので、普段から延滞などはしないよう支払いはきちんと継続することが大切です。

3. 業界経験をアピールする
未経験分野での創業はリスクが高いと判断されがちです。

アルバイトでも良いので、その業界での実務経験があることは大きな強みになります。

4. 面談の練習をする
提出した創業計画書の内容を自分の言葉で論理的に説明できるようにしておきましょう。

特に売上の根拠や資金繰りについては詳しく聞かれます。


まとめ


本記事では、日本政策金融公庫の創業融資「新規開業・スタートアップ支援資金」制度の内容や審査に通るためのポイントなどを解説しました。

「原則無担保・無保証」、「返済期間の引き延ばし」、「金利の引き下げ」といったメリットは、創業初期のリスクを大幅に軽減し、資金繰りを安定させる強力な武器となります。

しかし、入り口が広くなったからといって、審査のハードルが下がったわけではありません。

むしろ、「原則無担保・無保証」であるからこそ、公庫は「経営者としての資質」と「事業の勝算」をシビアに見極めています。

「儲かりそう」という予測ではなく「客観的で現実的な創業計画書」を作り上げることが大切です。

また、万が一審査に通らなかったとしても、原因を冷静に分析し、半年程度の期間を空けて改善すれば、再挑戦は可能です。

新しくなった「新規開業・スタートアップ支援資金」は、挑戦する創業者の背中を押してくれる頼もしい制度です。

万全の計画と準備を持って、事業成功への第一歩を踏み出してください。

創業融資てづくり専門支援センターでは、これまで4,500件以上の創業融資サポート・創業計画書・事業計画書の作成実績があり、その経験とノウハウを背景に、着手金なしの完全成功報酬(一律固定)にて対応させていただいておりますので、創業融資に興味があったり、資金調達や開業資金に悩まれている方は、お気軽にお問い合わせください。

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