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「こんな想いで事業を始めたい!」「自分のサービスで世の中に貢献したい!」という気持ちはとても素晴らしいですが、それをいかに『実現可能な事業計画書』として表現できるかが、起業を成功に導くポイントとなります。
この記事では、事業計画書を作成する際に多くの方が陥りやすい問題点を解説し、融資担当者が納得する、説得力のある事業計画書を作成するための方法をお伝えします。
事業計画書を作成する際には「こんなサービスで世の中を良くしたい!」「この技術で社会の課題を解決したい!」という想いを込めるかと思います。
その想いがどこから来たものでどのように実現するつもりなのか、具体的な根拠を示すことが融資担当者の信頼を得るための第一歩となります。
事業ビジョンとは、「なぜこの事業をやるのか」「最終的にどんな社会を実現したいのか」を示すものです。
融資担当者は、「なぜその分野で、なぜその事業ビジョンを掲げようと思ったのか」という具体的な理由や動機を求めています。
単に「儲かりそうだから」や「流行っているから」では本気度が伝わることはありません。
まずはこれまでの経験の中で感じた課題や社会的なニーズなどを書き出してみるといいでしょう。
そして、その課題やニーズをなぜ自分の商品やサービス、技術で解決できるのかを考えます。
事業計画書の中で、自分のどのような経験から事業ビジョンが生まれ、どのように顧客や社会に貢献できるのかという具体的なエピソードを伝えることで、「抽象的ではない、実現性の高い事業ビジョンを持って取り組もうとしている」と受け取ってもらえます。
融資担当者は、事業計画書を「その事業について深く考えているか」という視点で厳しく見ています。
どんなに素晴らしいアイデアや技術を持っていたとしても、その事業を行う理由が不明確だったり、曖昧な表現だったりすると、「この事業は深く検討されていない」と判断されてしまう可能性があります。
融資担当者が最も知りたいのは、事業の安定性、成長性、そしてリスクへの対応力です。
それらを示すには感情的な「想い」だけではなく、論理的な「根拠」を示すことが必要不可欠です。
「市場調査の結果から明らかになったターゲット顧客が抱える課題」、「競合他社との比較分析から導き出した事業の優位性」など、客観的なデータや分析結果を用いて、なぜこの事業が成功するのかを事業計画書の中で説明しましょう。
曖昧な言葉ではなく、具体的な数値や事例を挙げることで、計画の信頼性と実現性の高さを融資担当者に伝えることができます。
事業モデルとは、「どうやって価値を生み、どうやって収益を得るのか」を示すものですが、この事業モデルを事業計画書の中で説明し切れていないパターンも残念ながら少なくありません。
事業モデルの説明不足は、「素晴らしいアイデアを持っているのにうまく事業が展開しない」という、本来の価値が活かされていない状態を生み出してしまいます。
事業モデルを具体化する、つまり、「どうやって顧客に価値を提供し、お金をいただくかを明確にする」ために、以下のポイントを考えるといいでしょう。
①誰に(ターゲット顧客)
どんな人にサービスや商品を提供したいのか、年齢、性別、ライフスタイル、価値観などを具体的に考えます。
②何を(提供価値)
どんな価値を提供するのか?顧客のどんな悩みを解決できるのか?競合他社にはない独自の強みは何か?を明確にします。
③どのように(提供方法)
どのように商品やサービスを届けるのか?店舗で提供するのか?オンラインで販売するのか?などを考えます。
④いくらで(収益モデル)
具体的な価格設定や支払い方法を検討します。
⑤どうやって知ってもらうか(集客)
どのようにお客さんを集めるのか?広告、SNS、口コミ、SEO対策?など、事業やターゲット顧客層に合った効果的な集客方法を検討します。
「技術が素晴らしい」「アイデアが素晴らしい」「社会貢献ができそう」
だからといって、その事業が成功するかというと、必ずしもそうとは言えません。
事業を成功させるためには、このアイデアが将来的にどのように成長し、市場の中でどのように競争優位性を確立していくのかを、明確にすることが大切です。
事業計画書では、まず、自分の事業はどのような市場で、どれくらいの規模を目指すのか具体的な成長戦略を示します。
例えば、初期のターゲット層からどのように顧客を拡大していくのか、将来的にどのような新サービスやプロダクトを展開していくのか、他の企業との提携を通じてどのように事業を強化していくのかなど、具体的に示すことが大切です。
次に、競合他社との比較分析を行い、技術力、サービス品質、顧客体験、価格設定など、どの点が優れていて、それがどのように競争優位性をもたらすのかを説明します。
成長戦略と競争優位性を明確に伝えることができれば、融資担当者も事業の将来性に期待を持って検討してくれるはずです。
どんなに素晴らしい商品やサービスでも、それらを必要とする人がいなければ、事業として成り立ちません。
「なんとなく売れるはず」「これはみんなが欲しがるはず」といった漠然とした考えで事業を進めてしまうと、後々大きな壁にぶつかることになりかねません。
顧客のニーズは事業の根幹となる、とても重要なものです。
ニーズがあってこそ商品やサービスは売れ、顧客に導入してもらえます。
しかし、その重要な顧客ニーズを「把握できていない」あるいは「本当のニーズを理解できていない」というケースも少なくありません。
「顧客のニーズはどのようなものなのか」「顧客が重要と考えている要素は何か」「いつどのような形であれば購入してくれるのか」などをしっかりと把握・説明できるようにならなければ、その事業が本当にうまくいくとは言えません。
アンケート調査、顧客へのインタビュー、SNS上での口コミ分析、競合他社の顧客レビュー分析など、様々な方法で「顧客が本当に求めているものは何か」を具体的に探ることはとても有効です。
単に「便利だから」ではなく、「なぜ便利だと感じるのか」「どのような状況でそれを求めるのか」まで深く探り、事業計画書の中で説明することで説得力が増し、顧客目線に立った本当の事業の価値をアピールすることができます。
顧客はそれぞれの属性によってニーズが大きく異なるため、深く考察することが重要です。
以下の視点を踏まえて、具体的なペルソナ(想定する顧客像)を設定し、ターゲット顧客のニーズをより深く考えてみるのがおすすめです。
①基本情報
年齢、性別、居住地、職業、年収、家族構成
②ライフスタイル・価値観
趣味、休日の過ごし方、興味関心、ライフステージ、価値観
③悩みや課題
仕事での不満、将来への不安、お金の悩み
④情報収集方法
情報収集の方法、SNSの種類、よく見るウェブサイトなど
それぞれのペルソナが抱える悩みや課題に対して、自分の商品やサービスがどのように価値提供できるのか、具体的な利用シーンを含めて事業計画書に記載することで、単なるアイデアの羅列ではなく、市場のニーズに基づいた実現可能性の高い計画として、融資担当者は評価してくれます。
事業計画書は、文字通り「事業を進めるための計画書」です。
しかし、事業の概要や数字の部分に気を取られ、実際に「どうやって事業をスタートさせ、軌道に乗せるのか」という具体的な行動計画が抜け落ちていることがあります。
売上や資金の数字の組み立てもとても重要ですが、事業を始めてから計画通りにすべてが進むことは少なく、途中で軌道修正が必要になることの方が多いのが現実です。
そのため、数字だけではなく事業をどのような体制で進めていくのか、何から優先順位をつけて動いていくのかなど、「行動計画」を事業計画書の中でしっかりとアウトプットする事が大切です。
「行動計画は頭の中にあるから大丈夫!」と思う気持ちはよくわかりますが、それでは「十分な実行力がある」ということが融資担当者に伝わりません。
自分のアイデアや技術を事業として実現するには、頭の中で思い浮かべている計画を具体的な「行動」へと分解し、誰が見ても理解できる表現で事業計画書の中で示すことが重要です。
まずは法人設立、オフィス選定、システム開発、人材採用、プロモーション開始など、事業開始までの具体的なタスクをリストアップします。
事業計画書の中では、それぞれのタスクについて、「いつまでに」「誰が」「何を」するのか、具体的なスケジュールと担当者を明記し、わかりやすく、かつ説得力のある計画になるようにします。
また、限られた時間や資金、人的リソースの中で、どのタスクを最も優先して進める計画なのかを説明します。
例えば、「初期段階ではプロダクト開発を最優先し、その後プロダクトの動作テスト・テストマーケティング・改良を並行、改良後に本格的な販売のためのマーケティングに注力する」といった具体的な計画の流れを示すことで、堅実性と問題解決能力をアピールできます。
初期のKPI(重要業績評価指標)を設定し、計画の進捗をどのように測定し、軌道修正していくのかも併せて示すことで、さらに実現可能性の高い事業計画となります。
売上計画や資金計画といった「数字」は、事業がどれくらいの規模になり、どれくらいの期間で利益を出し、借りたお金を返済できるのかを具体的に示す、とても重要なものです。
しかし、多くの計画書では、「なんとなくこれくらい売れるだろう」「資金はこれくらいあれば足りるだろう」といった根拠の薄い数字が並んでいることも少なくありません。
売上計画や資金計画の作成で陥りがちな問題は、その売上や資金の動きが「なぜそうなるのか?」という根拠が不足していることです。
計画書を一通り作成するだけでも多くの時間と労力がかかるため、数字が出来上がると「これで大丈夫だろう」という安心感が先行してしまい、肝心なその数字になる根拠が不足していたり、あいまいなままになってしまったりするケースは少なくありません。
しかし、融資担当者は、その数字一つひとつに「なぜ?」という疑問を投げかけてきます。
売上計画は、単なる希望的観測ではなく、様々な要素の具体的な数字から算出したものである必要があります。
例えば、商品・サービスの単価、想定される顧客数、顧客一人当たりの購入頻度やリピート率、市場シェアの目標、集客経路とその効果(広告費に対する顧客獲得単価など)といった、詳細な情報を基に数字を算出しましょう。
既存の市場データや類似サービスの事例、自社の試験データなどを活用して、一つひとつの数字に裏付けを持たせることが大切です。
資金計画も同様に、事務所家賃、人件費、仕入れコスト、広告宣伝費など、具体的な見積もりや相場に基づいて算出します。
「いつのまにか資金不足に陥っていた…」ということにならないよう、可能な限り具体的かつ現実的な数字で計画を立てることが重要です。
事業計画書全体を通して、数字に整合性と一貫性がなければ、融資担当者からの信頼を得ることはできません。
例えば、多額の広告費を計上しているのに、それに見合う売上目標が設定されていない、といった矛盾は避けなければいけません。
事業モデルやマーケティング戦略、人員計画など、すべての要素が売上・資金計画と連動しているかを確認しましょう。
また、楽観的なシナリオだけでなく、売上が計画を下回る、予想外の費用が発生する、といった悲観的なシナリオも想定し、対策を具体的に示すことは、計画の堅実性と危機管理能力をアピールできます。
悲観的なシナリオへの対策例としては、追加の資金調達、コスト削減、事業計画の見直しなどがありますが、これらも「どこに資金調達を依頼するのか」、「どのようにコスト削減するのか」、「事業計画のどの部分をどのように見直すのか」といった具体性が必要です。
事業計画書の大枠を書き出した後は、さらに踏み込んで多角的に数字を検討することで、より現実的で信頼性の高い計画書を作成できるのです。
事業計画書は、ただの書類ではなく、自分のアイデアや技術を事業として実現するための具体的なロードマップであり、それを第三者に伝える大切なツールです。
今回お伝えした、事業計画書を作成する際に陥りがちな「問題点」を一つひとつ乗り越え、多角的な視点から事業を深掘りすることで、事業計画書は格段に説得力を増し、融資担当者の評価や信用の向上につながります。
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『 開業時の必要資金 』
① 日本政策金融公庫の融資
② 創業融資支援の成功報酬はないのでしょうか?
③ 1000万円程の創業融資を受ける事は可能でしょうか?
④ 開業計画書を考える4つの視点
⑤ 開業時は日本政策金融公庫と銀行どちらが融資を受けやすいのでしょうか?
① 起業する前に知っておきたい21の知識
② 新規事業を成功へと導く立ち上げ時に検討すべき8つの思考
③ 資金調達を計画する時に知っておきたい考え方
④ 事業計画作成において把握しておきたい必要ポイント
⑤ 業界別の創業融資や事業計画書作成のサポート





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